2023年12月31日

年の終わりに思う事

今日は雨上がりの午後から家の角にある松の手入れ
去年は暮に年が明けてからでもいいやと思いやらなかった
年が明けても結局出来なかった
今年は思った大晦日にやらなければ出来ないって
暮とか大晦日ってやっぱ特別な日なんだと思う




今年は11月から雨の日以外休みなし
こんなに仕事したのは修業時代以来
でも不思議と疲れていない
66歳たいしたもんだ(笑)

そして今年一番の出来事は
卓越した技能者県知事表彰を受賞出来た事
技能士会の会長から最初に電話をもらった時は
何ですかそれ????  って感じで
全く知らなかった
自分には縁のないものって感覚です
ただ自分は電話をもらった時点でもらえると思っていた
そした推薦から実際に受賞するのは簡単ではなかった
私が調べた限りでは
色々な業種百何十種の業種の推薦者の中から10人から15人を選ぶみたい
造園で受賞した人を調べるとビックネームばかり
それも皆大きい会社の社長
私のような個人経営の植木屋が選ばれるなんて奇跡
実査の受賞者をみると日立関係が9人
その他三菱、日本製鉄
私のような個人では結城紬の人が一人だけ
大体技能士会から推薦を受けること自体考えられなかった
私は役員でもないし
たいして目立つわけでもない
一度だけ石積みの講師を務めた事がある その程度

それに選ばれたことはもちろん嬉しいし光栄な事
実際に受賞して想うのは
こんな賞が欲しいから頑張ろうと思っても貰えるものではない
私はただ庭が好き
それが一番の受賞理由だと思う
庭を観に行くのはもちろん
講習会、ワークショップ等々
興味のあることはどこへでも行った
これもみんな庭が好きだからで
本当に好きこそものの上手なれ・・・ そのものだと思う

私は茨城弁丸出しの冴えないおやじ
私に依頼して初めて会った時に
このおやじに庭が出来るのかと思ったと言われた事もある
実際長年付き合っていたお客様でさへ
庭つくりを依頼され実際に施工中に
うちのわけしを 
神奈川の超有名な植木屋にいたんですよって紹介した
ただ そこにいたのは一ヶ月とは言わなかった
そしたらそこのご主人が彼のする仕事をとても気に入って
凄い、素晴らしいって連発する
全て私が指示、指導してやらせている事で比較的簡単な事
そして私が並べた縁石2本
その隙間が雨落ちになるので10cm位空けてある
その隙間を見てご主人が 「東郷さん、これわざとですか?」と聞く
私は???????
縁石の右側と左側で隙間が2,3mm違う
随分馬鹿にされたものだ
散々馬鹿にされた 最悪
それが先代から何十年も付き合ってるお客
尚更に腹がたつ

私の見かけが悪いせいかな
ただのどこにでもいる植木屋のおやじか
シルバー事業のおやじ位にしかみていない

あと
もう10年以上も前から参加していたボランティアグループ
その中に庭に特化したクラブが3年位前に作られた
私もそのクラブの中の一員だった
そのクラブを受賞後に辞めた
私が受賞したことを告げてから

そのクラブでも私の事はどこにでもいる植木屋か
シルバー事業の植木屋位にしかみていない
ってか植木屋なんて器用な素人と同じ位にしか見ていない
私のやってることなんか誰にでも出来る位の事を言われ
馬鹿にされた
もうだいぶ前に辞めるつもりだったけどきっかけがなかった
今回の受賞は辞めるのにいいきっかけになった  


Posted by ひがし at 23:17Comments(0)ひとりごと

2023年12月27日

程よく

今日も同じ現場
結構大きい現場なので もう今日で10日目
3時のお茶の時に奥様に言われた
「東郷さんは程よく手を抜いてくれるから助かります。」って
びっくりです
植木や庭の事など全く関心が無いと思っていたのに
よく見てるな~~~って
奥様はここのお宅の娘さんで庭は先代が造ったもの

なんか昨日こだわりなんてブログを書いた自分が恥ずかしい
確かに昔から比べるとかなり手を抜いている
昔は松の古葉が1本残っているのさへ気になっていたけど
今じゃ全然気にしない
届かない古葉なんか全く手つけづに残っている
刈込は全てバリカン
葉の柔らかい物はバリカンの後に刈込ハサミで軽く手直しはしているがその程度
お金を払うお客様の気持ちも考えなくてはいけないと思う

大体バリカンを初めて使った時も超忙しくて使ったけど
これで俺の植木屋人生も終わりだ・・・・なんて思った(笑)
今じゃバリカン無しの刈込みなんて考えられない
1軒だけバリカンは嫌だと言うお宅がありそこはハサミで刈っているが
結構しんどい(笑)
バリカン無しには考えられなくなった

私がまだここのお宅にお世話になる前に
他社が造った井桁を組んだ小庭がある
そこには元々四ツ目垣が作られていた
だいぶ弱ってきたので作り直してほしいといわれた
それもプラ垣で作ってくれと言う
その当時まだプラ垣は出始めで私は嫌いだった
竹垣は竹で作るから竹垣だろうと思っていた

それが今じゃ竹の竹垣を作って欲しいなんて依頼を受けると
プラ垣の方がいいですよなんて勧めている
それでも竹でとか言われると頭が固いな~~~なんて思う(笑)
ただ支柱はアルミを使わない
そこはこだわっている(笑)

まぁ 程よくこだわるのがいいね



他社が組んだ井桁
裏が正面になってるって突っ込まないで (笑)
石は伊予
いい石だね
  


2023年12月26日

こだわり

こだわりって本来は決していい意味の言葉ではない

今日の現場にモッコクがある
私はモッコクの剪定が大好き、超自信がある
モッコクって剪定の難しい代表みたいな木で
笑われてしまうけど日本で一番上手いって位自信がある
だから楽しくて手を抜けない
所が先日モッコクをバリカンで刈った・・・・
人手不足で超忙しくて間に合わない
私の中で何かが崩れた
絶対的な禁じ手

こだわりが少しずつ崩れていく
私のような地味な職人がこだわりを捨てたら
チコちゃんにしかられる
つまんねぇ奴だなーーーーーーー って
こだわりがあるから面白い
他の人と差別感がたまらない
それが無くなったらつまらない仕事だぜ

まだまだこだわりは色々あるけど
ひとつタガを外したら
あとは簡単に外れそう・・・
多分来年は普通にバリカンで刈ってると思う
もう元には戻れない

こんな事を言うと
そんな事どうでもいいじゃね~~~ とかって言われそうだけど
それがこだわりの本来の意味だし・・・・


こだわりって職人の気持ちとしては誇りだと思う
職人のプライド
大袈裟な話 こだわりを捨てるのはプライドを捨てるのと一緒
つまらない職人になっちゃのかな


  


Posted by ひがし at 21:34Comments(0)ひとりごと剪定

2023年12月14日

五月の刈込

だいぶ前に終わった剪定の現場の話です
今は少なくなりましたが
昔の庭は五月のねじめが多かったです

私は大きい木だけ剪定します
下草や五月等の刈込はご主人がやってくれます
下草や五月等の刈込は簡単に思ってる人がとても多いです
ですが これがかなり難しい
うちでは新人に松の剪定はやらせますが五月の刈込はやらせませんでした
今では新人にもやらせています
うちもかなりゆるくなりました
ただ別にご主人がやってくれて何の問題もありません
それも庭の一つの楽しみ方です

ただ五月の刈込や下草の管理は難しいってか大切な事だけは知ってほしいです
それ次第で庭の表情が変わってしまいます
今は園芸用のバリカンが普及して誰でも簡単に刈り込めるようになって
ここの現場に限らず五月の刈込をお客様自身がやるケースがとても多いです
そうすると素人はなかなか強く刈れずに五月等が大きくなってしまい
バランスがくずれ
だらしない庭になってしまいます
足元がピタッと決まると庭も映えます

最近の私は庭を造っても五月を植えません
それが原因です
庭が壊れてしまう
それなら植えない方がいい
下草もそうです
うまく管理が出来なければ植えない方がいい



ちょうど先日まで行っていた現場の五月の刈込の写真がありました



ここの現場は春にも刈り込みます



何年か前の写真ですが
春にはかなり強めに刈り込みます
秋は軽く整える程度
そうすると
大きくならずに花もいつも満開に咲きます

偉そうに言うと
これが五月の刈込だよって
プロでもへたくそが多すぎると思う




  


Posted by ひがし at 18:04Comments(0)日々の仕事剪定

2023年12月13日

完成まで4年

依頼があったのが2019年
2020年3月から始まった造園工事
やっと先月完成しました
長い間お世話になりました
オーナーには別の仕事もあるので続けては出来ない事は了承を得ていましたが
申し訳ありませんでした

しかし間を空けながら長い期間をかけて庭を造るとメリットもあります
大体のプランは初めに出来ていましたが
少し造り 少し間が空く また少し造りを繰り返すと
ここはあの方がいいな この方がいいな
なんて変更が出てきます
物凄い変化はありませんが
当初のプランとは結構変わったと思います













私はこの頃下草を殆ど植えません
最近の庭の多くは凄い量の下草を植えている庭がとても多いです
あれって出来上がった時がピークで
あの下草を管理するのはとても難しい
素人には絶対無理
プロにもかなり難しいと思います

ここの庭では石庭と玄関前には杉苔を植えましたが
築山には植えません
土を踏み固めて地苔が出やすくなる環境を整えます
嫌がる人もいると思いますが
草が出たら除草剤をかけます
そうすると自然に地苔が生えてきます
そこの環境に合った苔なのでとても強いです
植えた杉苔は弱いです
植えた苔も地苔にだんだん変わってくれれば最高です
成長する庭を目指します

最近は庭の解体工事がとても多いです
代が変わって庭の管理が大変なんです
草引き 掃き掃除 植木の手入れ等々
私は成長する庭と同時にメンテナンスが楽な庭を目指しています
自分の造った庭が代替わりして解体されるのは辛いです
変な話 ブロワーと除草剤で管理できる庭
こんな事を言うのは私くらいかもしれません

  


Posted by ひがし at 18:27Comments(0)造園工事竹垣版築石積み